第37話

ベアトリスはエイラの涙をぬぐい、自分の目元まで赤くしていた。

「アラリックは強がってたけど、根っこはすごく優しい人だったの。そういうところを誰かに知られるのが、ただ嫌だっただけ」

彼女はそっとエイラの顎を持ち上げた。

「こんな話をするのはね、セバスチャンがあなたから奪ってきたものが、もう十分すぎるほどあるからよ。ひとつの不幸な結婚が、残りの人生まで決めつける権利なんてない」

エイラはうなずいた。

「よし。泣きたいなら泣けばいい。でもそのあとは寝なさい。明日、腫れた目であなたを展示会に行かせるなんて、私は絶対にしないから」

ベアトリスはエイラの頬をつまみ、それから眉をひそめた。

「それと、何か食...

ログインして続きを読む